貴重資料｜欧文印刷史資料

Cartas que os Padres e Irmãos da Companhia de Jesus, que andão nos reynos de Japão escreverão aos da mesma Companhia da Índia, o Europa, des do anno de 1549 até o de 66（1549－66年 イエズス会日本書簡集）

出版地に因んだ ｢コインブラ版｣ の略称で知られる日本イエズス会書簡集。ザビエル神父の書簡をはじめ、ガスパル・ヴィレラ神父による京都での開教の様子、九州各地での宣教の進展、ルイス・デ・アルメイダ修道士やルイス・フロイス神父の動向などが記された、続編の日本書簡集（エヴォラ版）が刊行されるまで、イエズス会日本通信の集大成。ヨーロッパで初めて日本語を印刷した刊本ともいわれる。フロイス神父の著『日本史』にも一部引用・転載されている。現存数が非常に少ない。
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Gregorivs XIII Papa Bononiensis sedit an XII Menses X Dies XXVII, Haec omnia coepit atque perfecit foelicitor《教皇グレゴリウス13世肖像画》

グレゴリオ暦制定・グレゴリオ聖歌改訂で知られる第226代ローマ教皇グレゴリウス13世（在位：1572～1585年）を称える銅板印刷物。周縁部には在位中に世界各地に設立した教育施設や、外国使節謁見などのカトリック宣教の成果を表す象徴的な事績場面が描かれる。そのうちの一つは天正遣欧使節との謁見（1585年3月23日）の場面であり、また、府内コレジオ・有馬セミナリオ・安土セミナリオ・臼杵ノヴィシアードなどの日本国内のイエズス会の教育施設（想像図）も描かれている。
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Francisci Xaverii Epistolarum Libri quatuor ab Horatio Tursellino e Societate Iesu in Latinum conversi ex Hispano（フランシスコ・ザビエル書簡集）

日本におけるキリスト教宣教の創始者フランシスコ・ザビエル神父のラテン語訳書簡集（全4巻構成）。書簡は年代順に編纂されており、50通余りの収録書簡のうち、日本に初めて言及するのは第2巻所収の1548年2月13日付、コーチン発信のイエズス会初代総長イグナチオ・デ・ロヨラ神父宛て書簡で、第3巻に日本宣教時の書簡3通（鹿児島発2通、山口発1通）が収められている。実見に基づく日本に関する初めての詳報として、ヨーロッパにおける日本像の形成に大きな影響力を与えた。
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Le Pourtraict des premier 23 Martire mis en Croix par la predicaon. de la S. foy au Giappon soubs l’Empe Taicosam en la Cité de Mongasachi《長崎で磔刑に処された23人の殉教図》

ロレーヌ公国（現・フランスの一部）出身で同時代を代表する版画家ジャック・カロが、日本26聖人殉教を題材にして、長崎西坂で磔刑に処された殉教者23人を描いた版画。美術史上においても高い評価を受けているが、国内での所蔵機関は現状、国立西洋美術館と当文庫のみ。1627年に列福されたフランシスコ会士および同会由縁の者23人のみが描かれているが、これはロレーヌにおけるフランシスコ会の活発な活動状況が背景として推定されている。1627年の列福式の記念刊行物と考えられる。
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Königreichs Voxu im Japonischen Keyserthumb Gottseliger Bekehrung（「伊達政宗遣欧使節記」ドイツ語版）

慶長18年（1613）の慶長遣欧使節について詳述した、同使節のイタリア人通訳兼交渉役シピオーネ・アマーティの著作のドイツ語版。奥州国や仙台藩主・伊達政宗の解説から、使節派遣の実現に奔走したフランシスコ会士ルイス・ソテロ神父の動向、そして使節一行が仙台を発ってからヌエバ・エスパーニャ（メキシコ）経由で王都マドリードに至った後の国王フェリペ3世との謁見、大使支倉常長の受洗、そしてローマ入市式とローマ教皇パウルス5世への謁見等が概ね時系列で記されている。
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De Christianis apud Iaponios Triumphis sive de Gravissima Ibidem contra Christi Fidem Persecutione（日本におけるキリスト教の勝利）

17世紀初頭にイエズス会の中国宣教を推進したフランス人ニコラ・トリゴー神父が、迫害下の日本に潜伏するイエズス会士たちからの書簡・報告書の情報に基づいて帰欧中に著した、1612～1620年にかけての日本におけるキリシタンたちの殉教録。苛烈な迫害の様子や教勢について克明に記されており、また銅版挿図全17点は、キリシタンに対する拷問・処刑の模様を生々しく描写していることで知られている。イエズス会ドイツ管区第3修練院（Domus Tertiae Probationis Provinciae Germaniae）旧蔵。
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Niffon no cotōba ni yô confesion, vo mósu yõdai to màta Confesor yori gòxensàcu mesarùru tàme Nò canyônàru giô giô nocòto（日本の言葉にようコンフェションを申す様態と、またコンフェソールより御穿鑿めさるるための肝要なる条々の事）（懺悔録）

1620年代に禁教下の長崎周辺で宣教活動を行い、帰欧後はローマでイエズス会の日本宣教独占を批判しつつ独自の日本宣教を模索したドミニコ会士ディエゴ・コリャード神父の編纂による、布教聖省発行のいわゆる“コリャード日本関連三部作（1632年）”のひとつ。「懺悔録」の名で知られる。キリシタン時代の日本人信徒たちによる秘匿性の高い罪の告白（告解）を、後続するヨーロッパ人宣教師たちへ向けた日本語学習テキストの実用的文例とすることを名目に筆録・出版した稀有な史料。
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Fasciculus e Iapponicis Floribus（日本の花束）

イエズス会日本管区のプロクラドール職を務めるカルディン神父が著した、日本におけるイエズス会士たちの殉教録。全三部構成であり、第2部は一般の信徒を含めた日本の殉教者名簿、第3部は1640年に長崎で処刑されたマカオ使節団についての報告である。第1部の殉教録には、磔刑や斬首、火炙り、穴吊るしなどによる殉教の様子を描いた殉教図（計84枚）やキリシタン大名三名の肖像画が収められている。全編を通じて殉教図や日本地図等、多数の図版が挿入されていることで知られる。
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Vita Beati P. Ignatii Loiolae Societatis Iesu Fundatoris（福者のイエズス会創始者イグナティウス・ロヨラ神父の生涯）第2版・列聖記念決定版

イエズス会創始者イグナチオ・デ・ロヨラ神父列聖を記念して、1609年刊の列福記念版を改訂・再版したラテン語版ロヨラ伝の集大成。ロヨラの生涯が、銅版画81枚を中心とするエンブレム・ブック構成で解説されている。それらの銅版画の原画作成は、当時のバロック芸術の最先端地アントウェルペン出身のフランドル絵画の巨匠ルーベンスが担ったとされる。イエズス会の挿絵入り出版物を代表する重要な著作物で、扉絵には日本の三人のイエズス会殉教者（26聖人のうち）も描かれている。
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Atlas Japannensis being remarkable addresses by way of embassy from the East-India Company of the United Provinces, to the Emperor of Japan（東インド会社遣日使節紀行）

カルヴァン派教会の牧師でラテン語教師のモンタヌスが、オランダ東インド会社関係者のもたらした情報およびイエズス会出版本等の日本関係書籍に基づいて著した、初の本格的「日本誌」。17世紀後半のヨーロッパにおける日本観形成に決定的な影響を及ぼし、以降19世紀に至るまで大きな影響力を有した著作。バロック的世界観に満ちた精緻な銅版画100点近くを収録している。
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その他

・「天正遣欧使節欧州訪問記（Breve relación del recibimiento que en toda Ytalia, y España fue hecho a tres embaxadores）」1586年セヴィーリャ刊、フェルナンド・マルドナド 原著 KB355:Ma39:1
・「フランシスコ会フィリピン聖グレゴリオ管区史（Historia de las islas del archipelago, yreynos de la gran China, Tartaria, Cuchinchina, Malaca, Sian, Camboxa y Jappón, y de lo sucedido en ellos a los Religiosos Descalços, de la Orden del Seraphico Padre San Francisco, de la Provincia de San Gregorio de las Philippinas）」
　1601年バルセロナ刊、マルセロ・デ・リバデネイラ神父 原著 KB356:R33:l
・「1600・1601年日本イエズス会報告（Relaçam annual das cousas que fizeram os Padres da Companhia de Jesus na Índia, & Japão nos annos de 600. & 601）」
　1603年エヴォラ刊、フェルナン・ゲレイロ神父 原著 KB430:48a
・「日本殉教録（Relación de la persecución que uvo en la yglesia de Japón）」
　1616年メキシコ刊再版、ペドロ・モレホン神父 編 KB402:15
・「ドミニコ会フィリピン・日本・シナ聖ロザリオ管区史（Historia de la provincia del Sancto Rosario de la Orden de Predicadores en Philippinas, Iapón, y China）」
　1640年マニラ刊、ディエゴ・アドゥアルテ司教 編 KB412:A16
・「イエズス会史 アジア篇第二部・日本（Dell‘historia della Compagnia di Giesù Il Giappone seconda parte dell’Asia）」
　1660年ローマ刊、ダニエーロ・バルトリ神父 編 KB418:93
・「日本大王国志（Rechte beschryvinge van het machtigh koninghrijck van Jappan）」
　1662年ハーグ刊、フランソワ・カロン編 KB:345:C21:1
・「日本教会史（Histoire de l‘eglise du Japon. Par Mr l’Abbé de T.）」全2巻
　1689年パリ刊初版、ジャン・クラッセ神父 編 KB445:1,2
・「アウグスチノ会日本キリスト教界迫害史（Christiandad del Japón, y dilatada persecución que padeció）」
　1698年マドリード刊、ホセ・シカルド神父 編 KB445:25
・「日本誌（Geschichte und Beschreibung von Japan）」全2巻
　1777～79年レムゴー刊、エンゲルベルト・ケンペル編 KB346:34, 35 など