貴重資料|キリシタン関連遺物

聖母マリア像(子安観音座像)

天草﨑津 かくれキリシタン旧家由来、白磁器 1体

江戸時代の禁教下、潜伏キリシタンが「はんたまるや様」などと呼び、聖母マリア像として密かな信仰対象になっていた観世音菩薩像。「マリア観音」は、そうした像に対する明治期以降の造語。「マリア観音」には真贋不明のものも数多いが、ラウレス神父によると、中国由来と目される当文庫所蔵の本像は、天草諸島の潜伏キリシタン集落・﨑津に住む潜伏キリシタン(かくれキリシタン)家で代々継承されたものという。
JL-MK-1700-KB1

十字架(聖遺物函)

キリシタン時代伝来品ヵ、銅製鍍金

キリシタンやカトリック信者らによるラウレス神父への寄贈品と目されるが、伝来経緯は未詳。表面にイエズス会の紋章(IHS)および“キリストの受難”を象徴する釘3本・梯子・槍(矛先)、受難具の縄(ディシピリーナ)、そして聖母マリアの象徴であるアイリス(竹葉)が、裏面には“キリストの受難”の象徴である釘抜などが浮彫で表されている。

浦上キリシタン信心具

19世紀製 安部明郎氏(東京都)旧蔵
ロザリオ5点、金具5点

長崎・浦上の原爆跡地より発掘された信心具。長崎奉行所没収キリシタン遺物(東京国立博物館所蔵)のロザリオやその金具に同種のものが確認できることから、幕末~明治初年にかけてパリ外国宣教会員によって浦上キリシタンへ配布されたものと推測される。原蔵者の森内秀雄氏は、慶応元年(1865)に大浦天主堂で初めて信仰告白を行ったとされる浦上村住人クララてるの子孫。

原城跡出土鉛玉

寛永15年(1638)頃製作、鉛製

寛永14年10月に発生した島原・天草一揆(天草・島原の乱)は、島原・天草のキリシタンら一揆勢数万人が原城跡(現・南島原市)に籠城し、それを幕府勢12万人あまりが攻囲するかたちで翌年2月に落城するまで続いた。この弾丸は、島原・加津佐居住の郷土史家・元山元造氏が原城跡から採集したもので、昭和9年(1934)夏にラウレス神父へ寄贈された。

その他

・天正遣欧使節と教皇グレゴリオ13世の謁見記念メダル
 1585年 ローマ教皇庁造幣局金型師ロレンツォ・フラーニ 製作、真鍮製
・キリシタン鍔 JL-TSUBA-1650-KB1
・不思議のメダイ 長崎県下かくれキリシタン寄贈品ヵ など